その二人に話を聞き込んでいく。
やはり、小笠原麗華は『約束してるから行かねばならない』と、何の確定もない漠然とした感覚で、屋上に行ってしまったところ、そこにはリグ・ヴェーダが待っていた。
慌てて一人で屋上に向かう麗華の後を、なずなは追って行った。
更にその後を橘兄弟が追う。
リグ・ヴェーダに手を挙げられる寸前で、なずなは屋上に飛び込んでいき、代わりに攻撃を受けた。
そこへ屋上に到着した橘兄弟。
リグ・ヴェーダと口論し、ヤツを怒らせた。
その後だ。
「…【無限の夢】が放たれて、しかも吸収されたって…」
リグ・ヴェーダは不快を顕にして、一般人相手に大技を放つ。
あの…優を永遠の眠りへと引き込んだ、あの【無限の夢】を。
しかし、驚いたのは。
麗華を庇って技を背にした頼智の背中から、二本の白い腕が伸びる。
それが【無限の夢】を吸い込んだ。
「どうなってるんだ…」
師匠を機動不能にした、大技。
体当たりは無理で、回避…逃げるしかない。
しかし、そこらのスピードじゃ逃げきれない、防御する術のない技のはずなのに…!



