は…。 声と共に現れた顔は。 遠のく意識の中で、何度も登場したヤツだった。 (伶士…) 何で、ここにいるんだろう。 ロマンスの神様が連れてきてくれたんだろうか。 「よかった…本当に、よかった…」 覗き込んでいるその顔は歪み。 まつ毛の長い綺麗な瞳からは、涙が溢れそうだ。 ったく…。 泣くなっつーの。 この、すぐ泣いちゃう素直すぎるぴえんヤローが。 …でも、それはくすぐったくて。 胸がキュッとした。