名誉の戦死を…遂げられた。
(………ん?)
視界には、光が差し込んでくる。
僅かな薄暗い光だけど。
うっすらと何度も閉じかけるが、目はやがて光に慣れて開けることが出来る。
(………)
視界に入ったのは、大変久しくお目にかかる箇所だった。
病室の何もない無機質な天井…。
あぁ、これ。
死んでないパターンだ。
命助かったのか…。
(…うっ!)
ボーッとしばらく目を開けたままにしていると、途端に痛みや吐き気が押し寄せてくる。
いやいやいや、相当なダメージだ!これ!
「…なずなサン?」
目の前に、にゅっと顔が現れた。
いつもの見慣れた顔だ。
玲於奈…?
「いやいや。気が付きましたネ。危ないところでしたよ」
「………」
頭がボーッとするのと、痛みと吐き気で声が出ない。
口元いずい。…酸素マスク付いてる。
意識が戻って最初に見た顔が、このおっさんの顔か。
やれやれ。やはり、こんなもん。
「耐毒があったから助かったようなものデス。無茶しないで下さいネ。結婚するまで生きないト」
うるせえな!



