俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


…何やってんの私!


とは、思いながらも。

心の奥底では、ちょっと喜んでドキドキしてる自分がいる。

デート…。



先程まで意中の相手と話していたスマホを両手で抱え、またモジモジする。



『…誰と電話してたの』



反射的に体がビクッと震える。



そ、そうだ。

今、剣軌の車の中だった。

依頼先へと向かうため、私は剣軌の運転する車の助手席に座っている。



『あ、あの…とも』

『ひょっとして、伶士くんでしょ』



『友達』と言いかけたのに、サラッとすっぱ抜かれて絶句する。

何っ!会話の内容、聞いていたな…!



『最近、伶士くんと仲が良いみたいだね?…この間のハルニレビルの件でも、北桜学園の件でも一緒にいたみたいだけど?』

『………』



ついに、その件について触れられてしまった。

一般人を依頼に同伴させるなど、ましてや伶士は護衛対象なのに、その危険な場に敢えて連れて行くなど。

怒られること間違いなし。