俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


…やばい。

事実を知ると、美化フィルターがかかってしまう。

木嶋の手下相手に乱闘を繰り広げた、あの逞しい姿や。

抱き締められた腕の、じんわりとくる温もりとか。

強引に迫られたのに、優しかった…キスの感触とか。



(ああぁぁ…)



照れ臭くなって、乙女のようにモジモジしてしまう。



普段、儚い王子様のすぐ泣いちゃうぴえんヤローが。

私の中では、男らしいカッコいいヤツになっている。

落ち着いて考えると、一緒にいて楽しくないわけじゃない。



好き…なのかな。



またモジモジしながら、彼の事を思う。





…しかし、翌日から。

ヤツのうるっさい襲撃が始まった。



《じゃあ、告白の返事は?》

《無視すんな》

《早く返事》

《返事よこせ》

《逃げられないぞ》

《返事》

《返事》



ズラリと並ぶ、返事を急かすLINE。

え…あいつ、こんなにせっかちでグイグイ来る男だったの?

まるで反社会的勢力の末端のチンピラのように…!



しまいには、私にとって不都合な写真を送信してきた。



はっ?…何故!