あわあわと取り乱す私を、むーは「くくく…」と意地悪そうに笑いながら見ている。
『…伶士殿は、なずぽを上辺だけで判断してないってことじゃの』
『はっ…』
開いた口が、塞がらない…。
…自分で言うのも何だけど。
私は、ズケズケと物申してしまう可愛げのないギャルだ。
学年一の美少女リンリンのように、上目遣いも使えないし、愛敬もない。
男を立てることもしない。
伶士に至っては、おばか…失礼、ちょい天然で受け身なのをいいことに、イジりにイジって馬鹿にしてんのに。
そんな私の中身は…いいのか?
『なずぽ、おまえの気持ちはどうなってんのよ』
私の…気持ち?
伶士への…?
(………)
『…わ、わからん』
『じゃあ、頭ん中整理して考えてみることだな。急に乙女になってモジモジしないでよ?』
『…こらぁぁっ!』
私の、気持ち…。
私が、伶士のことをどう思ってるか、だよな。
今までのことを振り返るように、考えてみる。
(………)
しかし、彼の顔を思い浮かべると。
それはちょっとくすぐったくなる。



