俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


ダメ。絶対にダメだ。



私は、ボディガード。

クライアントの身の安全を保障する任務を全うしなければならない。

よって、公私混同なんてもっての他。

クライアントに恋愛感情なんて…もっての他だ。



けど、伶士は何を考えているかわからない。



ムードに流されて、その…こんなギャルの私にキスしてきたり。

…恐らく、これは事故だ。男という生き物は、場面によって性衝動の自制が緩くなる場合がある。

事故、事故…。

それからも向こうは何もなかったかのように普通…。



…では、なかった。



『なずなのことが、好きだ』



事故ではなく…崩壊だ!

こんな事を…私のことを好きだとか言い出すなんて!

伶士がおかしくなっている!崩壊してる!



これは何かの間違いだ!



そのように指摘すると、ヤツは般若のように怒り出す。

しまいには、物凄い剣幕で追いかけてきた!



おかしい。絶っ対に、おかしい!

崩壊、御乱心でしかないだろ!




『…そうか?…わっちはそれで間違いないと思うけどな』

『………』