《この子ったら、悪霊で困ってるって嘘ついて元カレに相談して近付こうとしとるんや!嘘はあかん!あかんのやあぁぁっ!》
おばちゃんも、なかなかうるさいぞ。
もう限界だ。
…なので、私はその霊視結果をありのまま伝えることに。
だが。
『ま、待ってくれよ。狂言って…何で?何でそんな…』
ムカッ。
『ちょっと待ってくれよ。考えてくれ?何で薫がわざわざそんな嘘をつく必要があるんだよ。だって…!』
ムカムカッ。
…知るかこの!こっちが聞きてえわ!
しかも、騙されてるとも知らず、追い詰めたらたんまりと元カノ庇いやがって!
真実を伝えたまでなのに、私は悪者か!
冗談じゃない!
イラッとくるが、その裏では頭に過ぎることもある。
…そうか。
失意のどん底に陥るほど、好きな女だったっけな。
そりゃ庇いたくもなるか。
まだ、好きだったのか…。
そして、元カノは怒り出してとうとう、この場を飛び出して行ってしまった。
鉄板に、伶士はその後を追い掛ける。



