俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


いや、警護は順調だよ。

特に何も問題は起こってない。



問題は…私自身だった。





きっかけは、年明け。

伶士自身からの依頼で、友達が霊的現象に困っているから見てやってくれとのことだった。



だけど…友達?

ペンタグラムに伶士が友達とやってきたその姿を見て、すぐにピンときた。



連れてきたのは、いかにも清楚なお嬢様の女子。胸がデカい。

二人の距離、やり取り、伶士のエスコートぶりを見ていると、ただの友達の距離感ではないことを感じる。



ひょっとして、この女。

伶士がこっぴどくフラれた相手?あのバカ兄貴にぶん盗られた彼女じゃね?

まさか、失意になるほど苦しめられた相手を、何も無かったかのようにここに連れて来る?まさか。

もしそうなら、どういう神経してんだ。

それとも、新しい女?



(………)



なんだか、胸くそ悪い。




伶士の要請通り、一応霊視をしてみるが。

…いや、霊視も何もあったもんじゃない。一目でわかる。

こいつ、何も無い。

あるのは、伶士への熱い自然と。