『隠してなんてない。調査結果は俺も今日初めて聞いた』
『んだとっ…!』
『依頼警護が続くようなもんだろ。今回は出所が違って密にだけど。…戦局は早々に動く』
ツラッとこいた態度に若干イラッとするが。
…そんな猛抗議したってしょうがないのは、わかってる。
『あのクソヤローに伶士くんを渡さず、尚且つ18歳になるまでに能力が覚醒しなければそれで済む事だ』
もう、事態は動き始めている。
停まることなんかない。
…そうして、私は陰ながら伶士の護衛を再開することになった。
って、実は橘社長にも前から『宜しくな?』と言われてはいたけど、まさか総本山からも命令が下るなんて思いもしないだろ。
日増しに強くなっていく伶士の霊圧を、周辺に悟られないように結界を張り巡らしたり、不審な輩がいないか確認したり。
密な護衛を悟られないように、お互いの距離は付かず離れずで。
警護は順調に進んでいった。
…かのように、思われた。
(………)
…おかしい。
おかしくなってるのだ。
私自身の、やってることが。
思う感情が。



