『お…お、御館様の命…』
絞り出した声は、震えている。
何だろう、この顔や手が痺れている感じは。
でも、それをもグッと堪えて、今一度深く頭を下げる。
畳に額が付きそうなぐらい。
『…御館様の命、謹んでお受け致します…』
私、自ら。
この手で護る。
『…よろしい。なずな、頼みましたよ?…剣軌、なずなの援護をよろしくお願いします』
『御意』
『あと…桃李はフランスに行っておりますし、今年の北海道は騒がしそうなので、私の正月の来道は控えておきます。…ゆずらが身籠なので会いに行きたかったのですが』
『…御館様が安心してお越し頂けるように、早急に解決するべく励みます』
『有難う御座います。頼もしいですわね?剣軌』
そんなことより自分の御歳と体調を考慮したした方が良くね?御館様。
血圧高かったら飛行機に乗れないぞ。
そんな命を受けた、謁見は終わった。
『…何で隠してたんだよ!』
帰りの空港で、剣軌に猛抗議をしたが。



