すっげーレベルの高いイケメンじゃないか。

まるで、芸能人だ。

こんなのうちの高校にいたの?気付かなかった。



『なずぽどうどう?私の伶士王子様?横濱流星っぽいやろーっ!んもーっ!透明感抜群超爽やか、絶対口臭レモンで、脇汗の匂いバラだぜ?』

『………』

みっちょ、それ人間じゃない…。

匂い混ざって、逆にわや。

『ヒゲもギャランドゥーも生えてないよきっとぉぉっ!きゃあぁぁっ!イケメン伶士殿ぉぉぉっ!』

いや、生えなきゃ困るだろ。

二次元生物か。



(………)



陽が沈み出した夕陽に照らされる、彼の姿をフェンス越しに眺める。



…なんだろう。この違和感。



あそこまでレベルの高いイケメンなら、もうちょい自信満々で存在感あってもいいんじゃないか?

俺サイコー!女に困ってねえし?みたいな。



なのに、彼は存在感なく、さりげなくその集団にいて。

スズチカに『ほら来いよー!』と肩を抱かれている。気に入られてるぞ。

…いや、敢えて存在感消してる?

そして、どこか儚い空気を纏っていて。

寂しそうな目をしている。



今にも、消えそうだ。