そして、そのキャピキャピ軍団に混ざり、フェンス越しにそのサッカー部を覗く。
練習着姿の部員がボールを蹴って走って、コーンをグルグル。
と、思いきや向こうではシュート練習してる部員もいた。
『ほぉー。班ごとに分かれてメニュー組んどるのか。スピーディで濃いな。さすが強豪』
『むー。マネ目線になってるぞ』
『…ぬおぉぉっ!か、カッコよす男子いぃぃっ!いるうぅぅ!』
『え…』
『あれ、あれあれ!…わっちの大好きなマッケンユークリソツではないか!…ぬおぉぉっ!』
キャーッ!じゃないのが、むーだな。
…おっ。確かに。
めっちゃ顔整ってる。
あれはもろにむーのストライクだ。
『あ、それが水口パイセン』
『なぬーっ!…なるほ。スーパーカッコよすだもな』
むーも浮き足立ちキャピ女子になってしまった。
やれやれ。来て良かったじゃん。
そして、隣で静かになってるヤツの様子を見るが。
目をキラキラさせて、もうそれしか見えてない。
『あっ、あぁっ…!ステキ!…見てるだけでイッちゃう!』
こんなところでやめろ。



