俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~




夏至直前の季節は夏とはいえ、この時期の北海道は、夏の暑さではない。

過ごしやすい季節、とでも言うべきか。



少し高さの低くなった太陽を横目に、みっちょの後に着いてグラウンドへと向かう。



だが、グラウンドに着いた途端。

女子がやたらとキャピキャピ集まっている箇所に目がついた。

…あぁ、そうか。

みっちょと同じことを考えている女子が他にもいるぞ。



そこは、紛れもなくサッカー部のグラウンドだった。

フェンスの向こうには、浮き足だった雰囲気の女子がやたらといる。

結構な人数だ。



『サッカー部には、すでに王子様がいるんだとさー。二年の水口っていう人らしいー?』

『へぇー。ダブル王子様でこのギャラリーか』

『水口パイセンには巨乳なマネの彼女がいるらしいー?』

『ほう、おまえの伶士王子様は?』

『フリーですって!…ああぁぁ!イッちゃいそうになる!』

『いとも簡単にイケるんだな。安い女だ』

『るっせえぞなずぽてめえぇぇ!ヘタな男と付き合ってばっかでイッたことねえくせによおぉぉ!』

グサッときた。

どうせ、悪い男に捕まってばかりで、そんなもんよくわからん。