夏至直前の季節は夏とはいえ、この時期の北海道は、夏の暑さではない。
過ごしやすい季節、とでも言うべきか。
少し高さの低くなった太陽を横目に、みっちょの後に着いてグラウンドへと向かう。
だが、グラウンドに着いた途端。
女子がやたらとキャピキャピ集まっている箇所に目がついた。
…あぁ、そうか。
みっちょと同じことを考えている女子が他にもいるぞ。
そこは、紛れもなくサッカー部のグラウンドだった。
フェンスの向こうには、浮き足だった雰囲気の女子がやたらといる。
結構な人数だ。
『サッカー部には、すでに王子様がいるんだとさー。二年の水口っていう人らしいー?』
『へぇー。ダブル王子様でこのギャラリーか』
『水口パイセンには巨乳なマネの彼女がいるらしいー?』
『ほう、おまえの伶士王子様は?』
『フリーですって!…ああぁぁ!イッちゃいそうになる!』
『いとも簡単にイケるんだな。安い女だ』
『るっせえぞなずぽてめえぇぇ!ヘタな男と付き合ってばっかでイッたことねえくせによおぉぉ!』
グサッときた。
どうせ、悪い男に捕まってばかりで、そんなもんよくわからん。



