みっちょは怪しく笑い、照れている。
なんか、きめーな。
『むふふ。それはー?…ちょっとカッコえーのいるんだってば!マジエモ王子様系!』
『ほぉーう』
…やっぱり。ガクッときた。
みっちょ、イケメン好きだもんな。
イケメンを目に焼き付けて、あんなことこんなことする妄想をするのがたまらないらしい。
男であまり良い思いをしたことがない私にはよくわからない。
なんだかなー。
『今日、廊下ですれ違ってキャッ!って思って、そこらの男子に名前聞いたらさー!サッカー部の橘伶士というお方らしい?…キャーッ!名前もお素敵!マジ透明感たっぷりの王子様だぜ?…行く?行く?行っちゃう?』
『だからサッカーは見に行かん』
『はぁ?!サッカー見に行くんじゃねえよ!橘伶士王子様を見に行くんだよ!サッカーなんて何見りゃいいのさ!ボールか?!…いいから、行っちゃうんだよ!着いてこい!』
…結局、みっちょに強引に連れて行かれることになる。
サッカー部のグラウンドへとGO。
…今思えば。
伶士のことは、この頃から何となく知ってはいたんだ。
全っ然、興味なかったけど。



