俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


みっちょは怪しく笑い、照れている。

なんか、きめーな。



『むふふ。それはー?…ちょっとカッコえーのいるんだってば!マジエモ王子様系!』

『ほぉーう』



…やっぱり。ガクッときた。



みっちょ、イケメン好きだもんな。

イケメンを目に焼き付けて、あんなことこんなことする妄想をするのがたまらないらしい。

男であまり良い思いをしたことがない私にはよくわからない。

なんだかなー。



『今日、廊下ですれ違ってキャッ!って思って、そこらの男子に名前聞いたらさー!サッカー部の橘伶士というお方らしい?…キャーッ!名前もお素敵!マジ透明感たっぷりの王子様だぜ?…行く?行く?行っちゃう?』

『だからサッカーは見に行かん』

『はぁ?!サッカー見に行くんじゃねえよ!橘伶士王子様を見に行くんだよ!サッカーなんて何見りゃいいのさ!ボールか?!…いいから、行っちゃうんだよ!着いてこい!』



…結局、みっちょに強引に連れて行かれることになる。

サッカー部のグラウンドへとGO。



…今思えば。

伶士のことは、この頃から何となく知ってはいたんだ。



全っ然、興味なかったけど。