「頼愛さんの護衛の上亡くなったのか、どうなのかもわからない。何も分からなさすぎて、不思議な一件だったとは聞いている」
最愛の息子を納得出来ないカタチで失った夫婦は、深い悲しみに暮れる。
…暇も無く。
今度は、その弟、士朗が原因不明の高熱に倒れる。
どんな入院治療を施してもその熱は下がらず、士朗は日に日に衰弱していくのであった。
長男の突然の死、続いて次男が原因不明の病に襲われる。
美頼の息子であり、頼愛、士朗の父である蒼士は…悲しみはとうに山を超えて憤慨。
『橘が狙われている!…『夢殿』である母の能力を受け継いだばかりに呪われた!私の可愛い息子らが、跡取りが狙われた!…護衛の件はどうなっている?!…士朗までもが死んだらおまえら、どうしてくれるんだあぁぁっ!このワシにかかれば、こんな小っぽけな山一つ消滅容易いぞおまえらぁぁぁっ!』
怒りに駆られ、蒼士は単身…いや、信頼おける執事を一名同伴させ。
陰陽師の総本山に乗り込み、啖呵を切る。
それはそれは物凄い剣幕で、ある意味妖怪魔族より恐ろしかったようだ。



