『…やめろ!』
『何だおまえらは!』
『侵入者だ!我々の邪魔をする気か!』
菩提さんが止めに入ろうとするも、時すでに遅く。
抵抗していた女子高生は、光輝く魔法陣の中に放り投げられる。
『…いやああぁぁぁっ!』
彼女の悲鳴は、光と共に魔族の中へと消し飛ばされた。
あぁ、何ということだろう。
望みもしないのに、人間が魔族の餌食となってしまった。
許されてはいけないことなのに…!
目の前の悲惨な光景に、落胆と怒りを覚えていた、その時。
『…非っ常に、不愉快だね?』
我が師匠の低く落とされた声が。
普段、穏やかで能天気な人なのに、こんなにも殺気立った声を出すとは。
…怒ってる。
しかし、不愉快と言われた連中も黙っていない。
『不愉快?!…勝手に入ってきて何なんだ!』
『我らの聖なる儀式を邪魔しに来たのか!人間の分際で!』
人間が人間を、人間の分際でと言うとは…聞いて呆れる。
だが、口達者なのは我が師匠だ。
負けてない。



