「百歳になっても死なない?って…?」
「…この呪詛が働いているうちは、心臓だけは止まらない。寿命を迎えても」
「え…」
そんな話、あるのだろうか。
体が朽ち果てても、歳を重ねても、死なずに眠り続けるなんて。
ベッド上の眠り続けるおじさんの顔を見るが、随分と痩せこけていて…今にも死にそうな感じではあるのに。
でも、死なずに眠り続けるということは。
どれだけ老いても、このまま更にるい痩が進んでも…このまま眠ってる、という事なのか?
想像を超えた衝撃の事実に、茫然とする。
もし、このまま放っておいたら…という、未来を思い浮かべると、それは恐ろしいもので。
周りの者が、娘であるなずなや菩提さんが年老いて死んでも、おじさんは死なない。
眠りながらも、ずっと生き続ける。
例え、その身が骨と皮だけになろうとも。
それは…なんて、残酷な呪いなんだ。
「…この呪詛を解くために、ありとあらゆる術を試したよ。総本山から研究員の術師を呼んだりもした。魔術師の弓削先生にも頼んでみたけど…何をやっても、優さんが目を醒ますことはなかった」



