俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「百歳になっても死なない?って…?」

「…この呪詛が働いているうちは、心臓だけは止まらない。寿命を迎えても」

「え…」



そんな話、あるのだろうか。

体が朽ち果てても、歳を重ねても、死なずに眠り続けるなんて。

ベッド上の眠り続けるおじさんの顔を見るが、随分と痩せこけていて…今にも死にそうな感じではあるのに。

でも、死なずに眠り続けるということは。

どれだけ老いても、このまま更にるい痩が進んでも…このまま眠ってる、という事なのか?



想像を超えた衝撃の事実に、茫然とする。



もし、このまま放っておいたら…という、未来を思い浮かべると、それは恐ろしいもので。

周りの者が、娘であるなずなや菩提さんが年老いて死んでも、おじさんは死なない。

眠りながらも、ずっと生き続ける。

例え、その身が骨と皮だけになろうとも。



それは…なんて、残酷な呪いなんだ。



「…この呪詛を解くために、ありとあらゆる術を試したよ。総本山から研究員の術師を呼んだりもした。魔術師の弓削先生にも頼んでみたけど…何をやっても、優さんが目を醒ますことはなかった」