眠り続けている…?

意識もなく、ただ…って、これ、植物状態というやつなのか?

こんなに痩せて…三年も眠り続けているなんて。

何故、こんな事になってしまったのか。



俺の知ってる大好きなおじさんが、こんな事になってるなんて、絶望感、愕然とするしかない。

けど、その理由を、何があったかを理解しなければならない。




「…これは、呪い。あのクソヤローの使った術のせいなんだ」

「クソヤロー…?」

って、黒い翼の彼のこと?

その話は…綾小路室長から、大まかに聞いている。



「【無限の夢】…『夢渡り』の呪詛だ」



無限の夢…?

って…。



《…【無限の夢】…》

《兄貴っ!麗華さん連れて逃げて!》



さっき屋上で、黒い翼の彼が兄貴に向けた、あの黒いモヤモヤ…?



「被弾した者の意識を精神世界に連れて行き、永遠に眠らせる呪い…ずっと、ずっと眠り続けるんだ。体が朽ち果てても、永遠に」

「体が朽ち果てても?」

「うん。呪いの効力で、眠り続けるための最低限の機能だけが永遠に動き続ける。…何歳になっても。百歳が過ぎたとしても。死なずに眠り続ける」