…だが、俺は。
その病室のネームプレートの名前を見て、ここぞとばかりの驚愕に見舞われる。
「…伶士くん、どうしたの」
「え、いや、あの…」
思わず、そこから動けなくなってしまうぐらい。
嘘…。
急過ぎるよ。これ。
ここに、いたのか…?
そして、今、急に。
再会することになるなんて。
【音宮 優】
音宮のおじさん…!
そして、ここで明かされることになろうとは。
おじさんはどうしてるのか。
俺自身が、いったい何者なのか。
…俺となずなの、これからも。
燻っていた霧が、晴れる。
「…失礼します、優さん」



