俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~



すると、奥の処置室から看護師さんが顔を出す。

菩提さんを見つけると、「ちょっと!」と手招きしていた。

菩提さんは一人、処置室へと向かい、中に入っていく。

「処置終わったようですネ」と、玲於奈が呟いていた。



終わった?そこから出てくるのか?



と、食い入るようにそこを見ていると、早々と菩提さんだけが出て来た。



「今から病室に移るって。2階」

「そうデスか」



そうか…これで、ようやく顔が見れる。

と、思ったら。



なずなとの対面の前に。

まさか、大イベントが起ころうとは。

思わない。



「玲於奈。病室まで付き添って」

「はい。了解デス」

「…じゃ、伶士くん、ちょっとこっち」

「…え?」



そう言って、菩提さんは玲於奈に「じゃ」と手を上げている。

玲於奈は頷いて、奥の処置室へと行ってしまった。



…え?え?

あいつ一人で?

俺は?…行っちゃダメなの?



どうしていいかわからず、その場から奥を覗き込んでしまう。

意味も無く背伸びなんかしたぐらいにしといて。