俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「…それにしても、今回のボスの読みは大当たりデス。ヤツらの行動パターンと出没ポイントから、ヤツらの処分の仕方まで。…まさか、我々の『相殺』があそこまで有効とは。やってみた自分がビックリしましたヨ」

すると、菩提さんは「あははっ」と笑う。

「…ヤツらの『翼を吐く』は、恐らく『危機警告』なんだよ。もう戦闘不能寸前っていう。で、その『危機警告』に反応して、『緊急離脱』が自動的に作動する」

「『緊急離脱』とは、姿を黒い翼に変えて逃げることデスか?」

「そうそう。…でも、その際に僅かに、魔族の心臓『核』が丸出しになる隙が出る。そこを叩けばヤツらを抹消することが出来るんじゃないかと思って。魔力の分解という点では『相殺』が有効かと」

「ほおぉぉ…お見事」

「風祭くんの話を聞いてピンときたんだ」



何か何やら、難しい話ですが。



そんな話を横で聞きながらも。

なずながただいま診察を受けているであろう、唯一光が漏れている奥の処置室をただボーッと一点見つめる。

大丈夫とは、わかっていても。

その姿を見るまでは、この不安感は無くならないわけで。