俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「さあ、俺達も中に入ろう」



看護師さんたちがなずなを奥に連れていく様子を見守っていると、菩提さんにそう声を掛けられ、後に着いていく。

人ひとりいない、薄暗い中待合室に身を置き、ただひたすら静かに待つカタチとなった。

しばらくすると、車を駐車場に置いてきたもさ男が遅れて戻ってくる。

菩提さんともさ男の会話を耳にしながらも、黙って座って待っていた。



「…あの鴆毒は合成モノでした。魔力によるモノと、この世でポピュラーに使ってる毒デス。何が『魔毒』デスか。カッコつけちゃって」

「ほぼ魔力だろ。結界壊せるんだから」

「陰陽師の耐毒があったから、なずなサンは被毒後も動けたんだと思います。小笠原サンに当たってたら一発アウトでしたネ」

「そうか…」

「それはそうと、ボスは大丈夫デスか」

「…何が?」

「あの魔族一匹やっつけたってことは、陰陽術で風神召喚したんデショ」

「ああ、鎌鼬で『核』をスパーンと。出来るもんだね」

「相当な消耗じゃないデスか」

「…俺のことはいいよ」