「…あ、病院が曰く付きなんじゃないよ?集まる患者が曰く付きってこと」
「は、はぁ…」
「俺達陰陽師の事情をわかってる病院ってこと。…さあ、行こうか」
そう言いながら車を停止させ、菩提さんはシートベルトを外して速やかに車から降りている。
俺も続いて降りようと思い、ドアに手をかけるが、窓の向こうにはすでにストレッチャーと共に看護師が外で待機していて、ちょっと驚いてしまった。
後部座席のドアもいつの間にか開いていて、玲於奈がなずなを抱き抱えて一緒に降りている。
外にいた看護師さんと一緒になずなをストレッチャーに乗せると、寝かされたなずなは、あっという間に看護師さんに病院の中へと連れて行かれてしまった。
菩提さんは、ここに残っている看護師さんと話をしている。
「こっちの処置は終わってますが、ダメージ大きくて」
「わかったよー!取り敢えず検査するから中入って待ってて!」
「お願いします」
お互い頭を下げた後、その看護師さんも後を追って中へ入っていく。
なるほど…本当に事情をわかってるんだ。



