俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「あ、すぐそこ。もう着くよ?」

「え?すぐって…」

「薄野西病院。…あ、ほらもう着いた」



車はウインカーをあげて、左折する。



…え?こんなところに病院?

だって今、すすきのの外れを通過中じゃ。

こんな繁華街の果ての寂れた場所に病院?



左折して、大きい通りから小さな通りに入る。

古い雑居ビルやアパートが立ち並ぶ路地に入ったと思ったらすぐに、少し大きな建物が目に入った。



え…ひょっとして、これ?



「…ここですか?」



三階建てで、外壁が白いモルタルの古ぼけた感じ。

ザ・昔の病院。

この現代に、かえってレアなんじゃないかと思える見てくれだ。



「そう。ここだよ?」



ハンドルをゆっくり切って、車を正面に横付けする。

そんな菩提さんの顔は、意味ありげにニッとしていた。

俺のこのリアクションは予想通りでしたか…。

だってまさか、こんなところにこんなレトロな病院があるとは思わないでしょ。



「ここ、曰く付きの病院だからね?」

「えっ!」