俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「あ、あれは…でも、そっちだって邪魔するなって…」

「菩提が良いと言ったんだ」

「え…」



そのまま横にいた菩提さんの顔を見る。

彼は穏やかに頷いていた。



「伶士くん、一緒に行こう」



…何故、こんな展開になってしまっているのか。

わからない。

俺があれだけ『殺すぞ』言って駄々をこねたからか?

それ、ワガママ坊やみたいで、超絶に恥ずかしいんですけど…。



でも…もちろん、行きたいさそりゃ。

俺の責任ってのもあるし、なんせなずなが心配だからな。

目が醒めるまで、心配でならないと思う。



そういうわけで。

なずなの病院搬送に菩提さんと同伴することなる。

下に車を用意していて、すでになずなも車に乗り込んでいるということだった。



菩提さんに連れられて、兄貴、親父と共に一緒に下へ降りる。

案内されたのは裏口で、ハイエースが横付けされていた。

後部座席には、背の高い男の影がある。

…もさ男、玲於奈だ。

あいつも一緒か。

もさ男の傍の座席が倒されているのを見ると、なずなはそこに寝かされているのか。