俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


(………)



…菩提さん、そこまで察してるのか。

相変わらず、洞察力の深い人だ。



だが、それで納得出来るか?



「…いえ、俺が連れて行きます」

「伶士くん」

「…あの状況で、俺の責任じゃないってどういうことですか?!」



思わずカッとなり、声を張り上げてしまう。



これが…これが、俺のせいじゃないと言ったら、誰のせいなんだ?!

なずなは、俺に向けられた攻撃を受けて、致命傷を負ったのに?!

俺を庇って盾となった、それ以外に何があるんだ?!

なのに、俺の責任じゃない?!



それは…なずなが俺のボディガードだからか?

俺を護るためなら、命を危険に晒して当たり前なのか…?

そんなの、許されるわけないだろ…!



「…取り敢えず、救急車でも呼んで連れて行きます」

「伶士くん、ちょっと待って」



待ってと言われたが、待てるわけがない。

もう完全シカトして、再び歩き出そうとしたその時。

出入り口から、新たに登場人物が現れた。



「ぴーぽーぴーぽー。救急車デス」