(………)
…菩提さん、そこまで察してるのか。
相変わらず、洞察力の深い人だ。
だが、それで納得出来るか?
「…いえ、俺が連れて行きます」
「伶士くん」
「…あの状況で、俺の責任じゃないってどういうことですか?!」
思わずカッとなり、声を張り上げてしまう。
これが…これが、俺のせいじゃないと言ったら、誰のせいなんだ?!
なずなは、俺に向けられた攻撃を受けて、致命傷を負ったのに?!
俺を庇って盾となった、それ以外に何があるんだ?!
なのに、俺の責任じゃない?!
それは…なずなが俺のボディガードだからか?
俺を護るためなら、命を危険に晒して当たり前なのか…?
そんなの、許されるわけないだろ…!
「…取り敢えず、救急車でも呼んで連れて行きます」
「伶士くん、ちょっと待って」
待ってと言われたが、待てるわけがない。
もう完全シカトして、再び歩き出そうとしたその時。
出入り口から、新たに登場人物が現れた。
「ぴーぽーぴーぽー。救急車デス」



