俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


なずなは『最期』と、何かを言い掛けたけど。



こんなところで、最期だなんて許されない。

死なせない。終わりになんかしない。



だって、俺達。やり残していることあるんだ。

四月になったら、一緒に肉食べに行くし。



それに、聞きたいこと、話したいことがたくさんある。



おまえのお父さん、俺知ってるよ?

親父の友達で、すげーカッコいいおじさんだったって、子供ながらに思ってた。

昔、小さい頃、俺達出逢ってたんだよ。

遊んだことあるんだよ。

え?覚えてないの?とか。



それと…さっき、黒い翼の彼が言っていた、ボディガード未だ継続している件とか。

俺はいったい何者なのか、とか。



あと…これが、一番大事なこと。



俺…おまえの気持ち、まだ聞いてない。



だから、このままじゃ終われない…。



(助けるんだ…)



なずなを抱き抱えたまま、ゆっくりと出口へと向かう。

急ぎたいのに、なんか体全体が重くて、足が動いてくれない。

ただ見てただけの人間なのに、何でだろう。