俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


その一瞬で、あらゆる感情を処理してしまった。



この男は、まだなずなに手を掛けようとするのか?

そんなことは…絶対にさせない!



もう、なずなを傷付けさせない。



(俺が…)



なずなは、俺が護るんだ。






《…僕だって、護りたかった…》






頭の奥底で、男性の声が聞こえる。

考え過ぎて、頭だけじゃなく体が熱い。

焼けるように、全部が。

何かが、内に溜まって…。




すると、目の前の彼の体が、前に動き出そうとする。

こっちに来る、と察して警戒を持ってしまった。




「…来るな!」




咄嗟に彼に怒鳴る。

その瞬間、内に溜まっていた熱いモノが、外に放たれた感覚を覚えた。



「…何っ?!」



バシィッ!と、衝突音が響く。

同時に、何故か。

彼は慌てた表情を見せて、後退する。



「…結界?!」



慌てた表情?珍しいな。

いつも薄ら笑い浮かべてるくせに。