俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


絶望やら、混惑とか、後悔とか。

そんなもんがごちゃごちゃとなって頭を支配していたけど。

一度、怒りを露わにしてしまったら。

もう、止まらない。




「どうして…どうして、こんなことをするんだ!なずなが…なずなが何をしたっていうんだぁぁっ!」

「え?」

「おまえらが人間を食うとか滅ぼすとか、知るか!…力を持たないだの愚かだの、人を傷付けるだの、知るかぁぁっ!命を簡単に奪うおまえらの方が重罪だろうがぁぁっ!」

「………」

「人の命奪うことは、身体だけじゃなく心だってズタズタにかっ捌くんだよ!何でそれがわからないぃぃっ!…おまえが人間は愚か云々資格あんのかぁぁっ!」

「………」

「なのに、ギャーだのわーだの罪だの騒ぎやがってぇぇっ!…みんな、みんな痛いのは一緒なんだよ!」



そうだ。みんな、誰だって。

心が痛いんだ。

だから、痛みを…運命を乗り越えるために。

そこで足掻きたくて、抗う。



前を向きたくて、運命に抗うんだ。