俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


毒…?



…そうだ。なずなはあのカラスの羽根に刺されて、毒に…。

しかし、普通に動いて戦っていたから、大丈夫だったのかと…。



でも、それは違ったのか…?



まさか、なずなは。

毒に侵されているにも関わらず、それを堪えて…?

そして、俺の盾になって…。



「だって、最初の二本で軽く致死量超えてるはずなんだけど?なのに動けるとか、何て強靭な女だ。…けど、三本目だと流石に死んじゃうか」

「………」

「…この、怪物が」



俺の腕に抱かれているなずなを、上から見下ろしながら、そう言い捨てる。



怪物…?



(………)



「…おまえ」

「ん?」



腕に抱いたなずなの身体を、グッと引き寄せる。

力が入った腕は、プルプルと震えていた。



そして突然、出た。



「…おまえぇぇっ!いったい、何してくれてんだああぁぁっ!…あああぁぁぁっ!」



腹の底から出したことない声が出たような気がする。

突然の爆ギレ、物凄い剣幕だったからか、目の前にいる黒い翼の彼は、きょとんとしていた。