俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「どっ…どうした?!俺なら、俺ならここにいるぞ?!大丈夫か?!」

「…あ…」



なずなが俺を探している。

そう思ったら、必死に呼び掛けずにはいられない。



「なずな、しっかりしろ!…なずな!」



伸ばしている手を取って握る。

冷んやりとしていて、血の気が全く無くて…それがまた、動揺を誘ってくる。



「…伶士っ…」

「なずな?!」

「伶士、お願いっ…」

「…お願い?…何だ?!」

「…さい…ご……」

「…えっ?!…何?」



しかし、その一言を最後に。

なずなの口からは、言葉が途絶えて。

体の力がガクッと抜けていくのが、抱いている腕から伝わった。

体も、どんどん冷たくなって…!



「…なずな?…なずな、おい!」



『さいご』?…最期、何だ?



『最期』なんて、冗談じゃない!

…嫌だ!



「なずな…あああぁぁぁっ!」



絶望なのか、混惑なのか。



すると、向こうから「あははっ」と笑い声が聞こえていた。



「やっぱ、僕の鴆毒しっかりと効いていたんじゃん?…なのに、立ち上がって戦えるとか、ビックリしたー」