「どっ…どうした?!俺なら、俺ならここにいるぞ?!大丈夫か?!」
「…あ…」
なずなが俺を探している。
そう思ったら、必死に呼び掛けずにはいられない。
「なずな、しっかりしろ!…なずな!」
伸ばしている手を取って握る。
冷んやりとしていて、血の気が全く無くて…それがまた、動揺を誘ってくる。
「…伶士っ…」
「なずな?!」
「伶士、お願いっ…」
「…お願い?…何だ?!」
「…さい…ご……」
「…えっ?!…何?」
しかし、その一言を最後に。
なずなの口からは、言葉が途絶えて。
体の力がガクッと抜けていくのが、抱いている腕から伝わった。
体も、どんどん冷たくなって…!
「…なずな?…なずな、おい!」
『さいご』?…最期、何だ?
『最期』なんて、冗談じゃない!
…嫌だ!
「なずな…あああぁぁぁっ!」
絶望なのか、混惑なのか。
すると、向こうから「あははっ」と笑い声が聞こえていた。
「やっぱ、僕の鴆毒しっかりと効いていたんじゃん?…なのに、立ち上がって戦えるとか、ビックリしたー」



