だから。
自分が前を向くために…そんな自分を奮い立たせるために。
したいこと、しなくてはいけないことがある。
その為に、足掻き、抗う。
目の前の敵と、無常なる時の流れに。
「…力が無いから他人の力を借りる、それの何が悪いのですか?」
「………黙れ」
「人間は一人じゃ何も出来ません。でも、何故それを嘲笑うのですか?…貴方だって一人じゃ何も出来ないから、その力を手に入れたのでしょう?…私達人間と一緒ですよ?」
「…黙れ!」
「…だからと言って貴方を許しませんわ!私達の大切な人の命を、ゴミのように扱う心なき者を!」
「黙れ…黙れ黙れ黙れえぇっ!」
「…伏せて!」
彼の怒り放出と共に、突然として爆風が吹き荒れる。
菩提さんの「伏せて」で、反射的に頭を伏せたが、あまりの突風に体が揺れた。
吹き荒れ続く中、頭に重ねた腕の隙間から、前方の様子をチラッと垣間見る。
いったい何が…?
「…音宮の代表?…勝利宣言するにはまだ早いんじゃないの?」



