俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


だから。

自分が前を向くために…そんな自分を奮い立たせるために。

したいこと、しなくてはいけないことがある。



その為に、足掻き、抗う。



目の前の敵と、無常なる時の流れに。




「…力が無いから他人の力を借りる、それの何が悪いのですか?」

「………黙れ」

「人間は一人じゃ何も出来ません。でも、何故それを嘲笑うのですか?…貴方だって一人じゃ何も出来ないから、その力を手に入れたのでしょう?…私達人間と一緒ですよ?」

「…黙れ!」

「…だからと言って貴方を許しませんわ!私達の大切な人の命を、ゴミのように扱う心なき者を!」

「黙れ…黙れ黙れ黙れえぇっ!」

「…伏せて!」



彼の怒り放出と共に、突然として爆風が吹き荒れる。

菩提さんの「伏せて」で、反射的に頭を伏せたが、あまりの突風に体が揺れた。

吹き荒れ続く中、頭に重ねた腕の隙間から、前方の様子をチラッと垣間見る。

いったい何が…?



「…音宮の代表?…勝利宣言するにはまだ早いんじゃないの?」