俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


でも…魔力という、自分には抗えない脅威を持っている彼に対しても臆することなく。

堂々とそこに立っている麗華さんを見ていると、思いの強さみたいなものを感じてしまって。



「…抗えないのなら、黙って泣き寝入りでもしろと?…いいえ、そうではありませんわ?」



俺は…黙ってそこで見ているしかなかった。



「黙って泣き寝入りしてそこに留まっていても、時の流れは待ってはくれません…残酷なほどに」

「………」



壊れた笑いと共に、彼の視線も強くなってくる。

再び、憎しみ…だ。



「それに…私は、故人の無念を晴らそうとしたわけではありませんよ?」

「へぇ?…じゃあ何なんだ!」

「…白戸さんの無念は、私の無念。…我が社の無念です。だから、自分自身の無念を晴らすべく、私は時の流れに足掻き抗う。その為なら、どんな力でも借ります。…自分のために」




大切な人を失って、どんなに悲しかろうが。

悲しみのあまり、前を向けずにそこに留まっていようが。



時は残酷にも一秒、また一秒と進んでいく。