灰色の肌に、スキンヘッドに大きなツノが一本。

比較的細めの体付きをした、男性。

しかし、頭のツノ…やはり、鬼。

また、新しい魔族…鬼が現れた!



「…さあ、鼠鬼?足止めをしてくれ?」



ねずみおに?

鼠なの?鬼なの?ハーフなの?



そのスキンヘッドは彼の要請に、「承知した」と、持っていた槍を構える。

矛先を、二人に向けた。

槍の先を向けられた二人は、一斉に鼠さんを前にして構える。

また、ドンパチか?



「そうそう…足止めしといてね?」



そう言って、彼は翼をバタバタとはためかせる。

モニュメントのてっぺんで光り輝くパワーストーンを目の前にした。



「…残念だったね?」



地上にいる俺たちを見下ろして、ニコーッと笑う。

俺と残念女以外敵さんがいるので、その憎たらしい笑みは誰もが見てやしないが。



「…さあ、壊れるよ?」



そうパワーストーンに声を掛けて、撫で回す。

そして、その手をそっと上げた。



「…『黒嵐』…」



彼の右手に再び黒い羽根が舞い戻り、渦を巻いて纏う。



「…じゃあね?」



呟いて口角を上げて。

黒い羽根を纏う手に拳を作り。

それを、思いっきり振り下ろす。