《『神童』の皆さんは、ガーディアンの必須オプションである、『相殺』という術を使うことが出来る》
《この術は、融合された半人半魔を分解することが出来るんだ。ようするに、半人半魔から魔力を取り上げて、ただの人間に戻すことが出来る》
…綾小路室長はそう言ってたけど。
この鬼たちは、人間ではなく魔族。
魔族から魔力を取り上げるということは…すなわち消滅?
そういうことなのか…?
するとそこで、ガラガラと何かが崩れる大きな音が響く。
気付いて振り返ると、そこは。
「…あっ」
パワーストーンの結界が。
とうとう全体にヒビが入ってしまい、一気に音を立てて崩れる。
破片が次々と、地にガラガラと落ちていた。
…とうとう、壊れてしまった!
「…壊れた!」
「行くぞ!」
向こうでもこの惨状に気付いたのか、なずなと川越さんも、こっちに体を向けて駆け出す。
「おっと。手出しさせないよ?」
しかし、行手を阻むかのように、二人の目の前に天から降り落ちて現れる。
力強く着地して、地が少し揺れた。



