「うん。例えば…魔族と取り引きしても、『核』がうまく照合しなくて命を落としたり、はたまた魔族に騙されて取り引き無しに喰い散らかされたり。…成功し晴れて半人半魔になれるのは、約1割から2割」

「え…失敗って」

「死、だよね」

「………」

取り引きに失敗した8割ほどの人間は…死んだってことか?



『死』その一言が。

背筋をザワッと凍らせる。



「…どこで聞き付けたのか、この世の中に文句を言いたかったり、失望した若者たちがどんどんこの『取り引き』に手を出した。だが、前に述べたようなことが生じて、行方不明者は増え、そこらに仏さんがゴロゴロ。この若者の連続失踪、不審死に、警察は頭を抱え、優さんら陰陽師さん方の依頼も増えて、バタバタしていた頃だったんだ」



ゴロゴロって…現場はそれほど壮絶だったのかと想像できる。

確か以前、咲哉さんから、この時期に行方不明者が多発していたという話を聞いたことがあった。

行方不明者は、この『取り引き』に手を出した者たちだったのか。