え…弱い?
失礼ですが…。
ほぼ攻撃くらってやられてんじゃねえかよ!
さっきの結界相撲といい、あんなに強さを見せつけていたのに?!
目をパチクリさせながら、唖然とその光景を見る。
すると、眼鏡の男性が俺の傍にやってきた。
「こんばんは、川越です。よろしく」と俺に笑いかけながら。
「リグ・ヴェーダはね、相手と距離を空けて術力メインで攻撃を仕掛けてくるタイプだから、体術接近戦はイマイチ。夏輝のようなスピードがあって力技ボコボコを相手にするのは苦手なんだ」
「へぇ…」
「まあ、あんなヒョロヒョロだし?パンチ一発たかが知れてるよね?」
そう言って、眼鏡の男性、川越さんは「ははっ」と笑う。
って、俺にわざわざ解説しに来てくれたの?
随分余裕あるな。
一方、向こうの体術接近戦はというと。
吹っ飛んで地に転がっていようが、竜堂は容赦しない。
どんどん前に身を進めて、総合格闘技顔負けの勢いで技を仕掛けようとする。
彼が俊敏に立ち上がって体勢を整えても、拳の乱打を止める様子はない。



