「な、なんで俺の後ろに隠れるんですか!」



彼女とのファーストコンタクトがこれっていうのも…と、思いながらも、疑問の方が勝ってしまった。

すると、彼女はオドオドした様子でボソッと話す。



「あ、あ、あ、壁?大きい壁の後ろに行かないと落ち着かないんですよ…」

「…は?大きい壁ぇっ?!」

「…ひいぃぃっ!」



全く予想してなかった返答に、少し声を張り上げると、彼女は汚い悲鳴をあげていた。

なずなが横で「怒鳴らないでやって…」と、ガッカリした様子で呟いている。

って、俺、壁?

大きい壁?!

…自分、あんな大きな光の壁出しといて、俺が大きい壁?!



そして、彼女は覚束ない小声で話し始めた。



「…と、いうのも、も、私、いつも従者に戦ってもらってるので、もう、引き出しが無いのですよ…」

「は…」

「よ、ようするに、攻撃系の必殺技、な、無いんですよ、わ、わ、私…」

「え…」

「わ、わ、私がガーディアン呼んで戦うと、めちゃくちゃになるので、ダメって言われてる、る、し…」

「………」