集中?
集中力切れたら、こうなっちゃうの?なんてアップダウンだ。
「やややや…」
そして、キョドり系となった彼女は。
その出っ放しの光のカーテン『結盾』を下から眺めながら、ソロッと動き出す。
ゆっくり後ろ、右、ソロソロと動き。
「………」
「…えっ!」
何故か、俺の後ろに隠れた。
(………)
嫌な予感がして後ろをそろっと覗き込むと、キョドり彼女は俺の背中に隠れながらも、前方の様子を伺うようにチラッと顔を半分だけ出している。
…え?え?何?
何で急に俺の後ろに隠れるの?
あんた、さっきまで戦ってたんだよね?
あんた、術者だよね?
この現場で、術者なのに一般人の俺の後ろに隠れるってどういうこと?
何で?何で?
これ、軽く敵前逃亡じゃねえの?
あんないっぱしのこと言っていて、何逃げてんの??
「ち、ちょっと!」
彼女に盾にされているという、ヒーローらしかぬ不可解な行動に、思わず声をあげてしまう。
俺を盾にしている彼女は、俺の声にビクッと体を震わせていた。



