俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


嵐のように巻き起こる風圧と、視界を奪う強い光で顔を上げていられず。

ここ一番の衝突音で、耳がいっぱいになる。



「桃李ちゃん、大丈夫だよ!そのままっ!」

「ふぅ、ふぅ、うんっ、あわわわ…」



目の前には再びあの光の壁が現れた。

地面から天へ伸びて波打っていて、まるで光のカーテンのようだ。



しかし、そのカーテンの真ん中一部に黒いオーラがモヤモヤと蠢いている。

よく見ると、その中心には黒いカラスの羽根が突き刺さっていた。



「あわわわ、刺さった。刺さっちゃった!これ、これ、これ、時間の問題じゃないでしょうか!な、な、なずちゃぁぁんっ!」

「大丈夫、負けてない!そのままギリギリまでキープして!」

「…ひいぃぃっ!」



何だ何だ。

黒い翼の彼に、あれだけ啖呵を切っていた彼女が。

辺りを見回し、キョロキョロキョロキョロ…。

あの結界相撲が終わった途端、急にキョドり出して非常に残念な彼女に戻ってしまった?

「あぁ…集中切れちゃったか」

なずなはそう呟いて、ガクッと俯いてしまった。