俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「………」



そして、何故か。

彼女は口を尖らせて、「むむむ…」と物凄く気まずそうな顔をしていた。



だが、相手を完全撃破したわけではない。

ヤツは戦意を失っているどころか、しっかりと立ち上がっていて、殺意の眼差しを向けていた。


「…こんなんで、勝とうだなんて思わないでくれる?」



そして、彼の手にはいつの間にか。

あの大きめのカラスの羽根が。

生きたような黒いオーラをモヤモヤと纏っている。

あれは、なずなの腹に刺さっているものと、パワーストーンの結界に刺さっているものと同じ…!



その羽根をどうするのかって、聞くまでもないだろう。

彼の狙いは、仇と認識している彼女。

予想通り、彼はその羽根を手にして彼女に向けた。

それに気付いた残念な彼女は、体をビクッと震わせて「ひいぃぃっ!」と汚い悲鳴をあげている。

…え?キョドり系?



「…侵し壊せ!魔毒『夢魔』!」

「わわわわわっ!…そ、そ、光流!『結盾』っっ!」