「女連れてキャンプに行こう!と計画しても、前日までに三人揃ってお断りされて結局男三人でキャンプ、切ない連中でしたねー」
「………」
「…でも、羨ましかったなぁ。傍で見ていた者としては……と、話が全然逸れちゃったね?」
「え?」
「すみませんすみません。優さんの入院のきっかけとなったお話ですね?」
「………」
この人、話の切り替えが本当に唐突だ。
慣れるのに時間かかる。
そんなことを心の中で思いながらも、話に耳を傾けていたが。
「『優さんが攻撃を受けたのは橘社長を護って盾になったから』と言ってたこと…そうとも言い切れないよ?」
「な、何でですか…?」
そうとも言い切れない。
その言葉の意味。
そこには、親父が語らなかった秘密があった。
「…あの時、橘社長の傍には、なずながいた」