命令、指令…?
…え。だって、あのボディガードは、親父が俺の有り様を見て泡食って自分んとこの陰陽師に依頼したものであって、契約でしょうよ。
指令って、あたかも自分のボスからのミッションみたいな。
親父、ボス?
しかし、これから彼の口から語られることとは。
俺が何にもわからない。
意味すらわからない、理解し難い内容の話をだった。
…それは。
運命の歯車が回って回って、回り切って。
なずなはリラで、音宮のおじさんの娘だと分かった。
その後に続く…新しい物語、運命。
「…音宮のお嬢さん。…秋に僕と再会した後に、総本山に呼ばれてるよね?『夢殿』発覚の件で」
夢殿、ゆめどの…?
何だそれは。
疑問でなずなの方を向くが、そのなずなは顔を上げて、彼をもの凄く鋭い目付き睨んでいた。
「…おまえが、何で、それを…」
「総本山の中に蜘蛛一匹忍ばせるぐらい、なんてことないさ?」
「…密偵したのか!」
なずながムキになると、彼は更に笑う笑う。



