階段を上りきると、一面ガラスの向こうにある屋外は、光に照らされていて明るいことがわかる。

まるで、街灯がついているかのようだ。

しかも、その光は青信号のような鮮やかな緑。



そして、その向こうに広がる光景を。

ガラス越しに確認する。



(…あぁっ!)



全身の血の気が引くような感覚を覚えて、駆け出す。

ガラスのドアを開けて飛び込むと、屋外のひんやりとした風が通り過ぎた。

床一面ウッドデッキになっているからか、踏み込んだ時にガタンと音がした。



「なずな!…なずなっ!」



そこには、地に蹲って体を震わせるなずなの姿と。



「…大丈夫ですか!しっかり!しっかりして下さい!」



そんななずなの傍にしゃがみ込んで、顔を覗き、必死に呼びかけている、麗華さん。



「…あぁっ!すみません!私の…私のせいでっ!」

「…麗華さん!どうしたんですか!」

「あっ!…伶士さん?…ら、頼智?!」



俺らの突然の登場に、目を丸くして更に慌てふためいているようだ。