俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


背後に気配を感じて振り向いた時には、もう遅い。

俺の後ろから、兄貴が続いてエレベーターの中に入ってきてしまった。

え…来ちゃった!

と、思ったらすでに扉は閉まっていて、兄貴は屋上階へのボタンを押していた。

すると、エレベーターはフワッと上昇する。

着いて来ちゃった!



「あ、兄貴…」

「伶士だけずるいよ?麗華のとこに行くなんて」

「ばっ…そんなんじゃ!」

「あ、伶士はなずなを追いかけていくの?じゃあ、俺達追いかけ兄弟だ」

「………」

嫌なネーミング…。

なんて気持ち悪い兄弟だ。



でも、もう仕方がないので、兄貴も一緒に連れていくことに。

…けど、兄貴。

わかってんの…?



ひょっとしたら、その向こうは危険かもしれない。



スマホをいじっている兄貴の横顔をチラッと見る。

っていうか、スマホいじってる場合じゃない状況になると思うんだけど。

どんだけ麗華さんに御執心なんだ、この男は。

麗華さんのことが一番大好き、ってことはわかるんだけど。

兄貴って、どうも…軽いんだよな。