不敵な笑みの彼が味方だと思うと、それは頼もしく感じる。



「…流石、橘のおじさまの陰陽師さんですわ」






オープン前の未使用のスイートルームに、招かれざる客が。

彼女、小笠原麗華からそう連絡を受けて、音宮陰陽事務所の代表・菩提剣軌がこのスイートルームに駆け付ける。



踏み込んだ室内は、とても悪趣味なことに。

スイートルーム一面に、大なり小なりの黒い翼、羽根で埋め尽くされていたのだ。



それは、まるで。

絶望の『闇』を想像させるような…黒一色。



…これは、あの『彼』の仕業に違いない。

宣戦布告である、と。




それを前提に、残した痕跡から少しでも情報を得るために、魔力の在処、種類、数を独自の術、分析で調査していたのだ。



「…麗華嬢、これから警察の特別班の方もいらっしゃいますが、調査に加わってもよろしいでしょうか?」

「もちろん構いませんわ?」