意外な人物の登場に、ポカーンと立ち尽くしていると「座れば?」と声を掛けられる。

今一度、チラリと彼を伺うと目が合ってしまい、不敵な笑みでニヤリと笑い掛けられた。

こいつ…。



前に会った時は派手目の流行最先端な格好をしてたのに、本日はチャコールグレーのシックなスーツ姿だ。

だが、それが髪の明るい色を一層映えさせる。

やはり、久しぶりにお会いしても、芸能人に負けないぐらいのイケメンぶり、キラキラぶりだ。



(竜堂…)



壱丸デパートの件でお初にお目に掛かり、バレンタインデーの日に、偶然ペンタグラムでお会いした。

彼も…術者。

しかし、何で兄貴と一緒に?



《俺、頼智とは友達なんだ?よろしく言っといて?》



…って、本当のことだったのか。



立ち尽くしている俺に兄貴は「まあまあ」と、腰の辺りをポンと叩く。



「伶士、座って座って?彼は竜堂くん、俺の友達なんだ?…って、知ってるか。二人は会ったことあるんだもんね?」

「あ、うん…」

兄貴、俺と竜堂に面識があること知ってる。

どこまで聞いたんだろう。