俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「だ、騙し打ちっ…」

「『好きだ』言ってるのに、逃げるヤツどこにいんだよ!だから逃がさないようこっちも必死なんだよ!…おまえのことが、好き過ぎるから!」

「えっ…」

「俺だってめちゃくちゃ必死なんだ!偶然にもこうして会え……」



必死に反論していたが。

なずなが次第に俯いて、しゅうぅぅ…と花が萎んだかのように勢いが無くなっていることに気付く。

ど、どうした?大魔王のくせに。

…とは、言うまでもない。



「お、おまえ…」



俯いたままボソッと呟くなずなの声は、ちょっと震えて涙声だ。



「ど、どうした」

「そ、そんなに、好き好きって言うなよ…」

「は…」



あ…。

ああぁぁっ!



アツくなって勢いづいてしまっていたが。

冷静になって自分の吐いたセリフを思い返してみると…ああぁぁ、俺、かなりぶっちゃけた恥ずかしいことを!



「………」



結果、俺も勢い死ぬ。



「………」

「………」



また、その結果。

二人の間には、気まずい異様な沈黙が流れていた。