…しかし、ここで怯むと負けだぞ?伶士。
今回ばかりは…ヤツの思うようにさせてたまるか!
「…なぬっ!」
ぐらりぐらりとする頭を自ら振って、ヤツの攻撃を薙ぎ払う。
と、同時に壁に掌を当てていた右手を、視界がブレる中、闇雲に伸ばした。
すると、その手は見事に俺を攻撃していたヤツの手に掴みかかる。
指先一つで俺をダウンさせようとしていた獲物は、手首を掴まれて動きを止めた。
グググッと、その手を握ったままゆっくりと押し返す。
「くっ!伶士のくせに、生意気な!」
「俺のくせにって…いったい俺はどんな扱いなんだ!」
向こうも力で対抗してきているのか、こっちに押し返す力、半端ない。
押し合いで、お互い手がプルプルしていた。
くっ…こいつ、やはり馬鹿力だな。
というか、どんな攻防なんだこれは!
そんな中、またしても核心に突っ込んだ話をする。
「おまえ…どうなったんだよ」
「…はぁ?何が!」
「…忘れてんのか!告白の返事を!」
「はっ…!」



